「広告を回せば新規顧客は増える。しかし、なぜか売上が頭打ちになり、利益率も上がらない…」
このような悩みを抱えるEC経営者の皆様は、日々の分析で「CVR(購入率)」や「ROAS(広告費用対効果)」といった新規獲得の指標ばかりに目を向けていないでしょうか?
新規集客はビジネスのエンジンですが、そのエンジンを動かし続けるには、獲得した顧客が「どれだけ長く、多く買ってくれるか」という「顧客ロイヤルティ」が不可欠です。
本コラムでは、多くの経営者が見落としがちな、「お客様が生涯もたらす価値(生涯顧客価値)」に直結する重要な指標に焦点を当て、売上を安定的に伸ばすための戦略的な視点を提供します。
生涯顧客価値に直結する3つの重要指標
「お客様がどれだけ忠誠心を持ってくれているか」を測るために、今すぐチェックすべき3つの指標と、その意味を解説します。
最重要指標:リピート購入の最初の壁(2回目購入への移行率)
- 指標の意味: 初めて商品を購入してくれたお客様が、2回目の購入に至る割合を示す数値です。
- なぜ最重要か: 2回目以降の購入は、集客コストがほぼかからないため、利益率の改善に直結します。この最初の壁が低いということは、「初回購入後の体験や商品に問題があり、リピーター育成ができていない」という深刻なサインです。
2. 顧客グループごとの「お客様が生涯もたらす価値」
- 指標の意味: 顧客を「購入頻度」「購入単価」などでグループ分け(セグメント化)し、グループごとの「お客様が生涯もたらす価値(生涯顧客価値)」を算出します。
- 活用視点: どの顧客層が最も長期的に利益をもたらしているかを把握することで、「どの顧客層に広告費を集中投下すべきか」という戦略的な判断が可能になります。
3. 顧客推奨度(NPSなど)
- 指標の意味: お客様がそのブランドや商品を他者にどれだけ勧めたいかを数値化したものです。
- 活用視点: この推奨度が高いほど、将来的な口コミによる新規集客(集客コストゼロ)や、高いリピート率につながります。顧客体験の質が直接反映される指標です。
指標低下の根本原因の複雑性
上記の指標の「意味」は理解できても、実際にリピート購入の最初の壁(2回目購入への移行率)が低下している場合、その原因特定と対策は非常に複雑です。なぜなら、その根本原因はEC運営の表面的な部分ではなく、経営戦略の根幹に関わる場合が多いからです。
【指標低下の「根本原因」に潜むリスク】
ロイヤルティ指標の低下は、以下のような構造的な問題が引き起こしている可能性があります。
- 商品の陳腐化(飽きられやすさ): 市場のトレンドが変わり、既存商品の魅力が薄れ、他社商品への流出が起きている。
- 価格競争の泥沼化: 他社との価格競争に巻き込まれ、利益を削って新規を獲得しても、ロイヤルティが高まらない顧客ばかりを集めている。
- 市場の構造変化: ターゲット市場そのものが縮小・変化し、顧客層のニーズと自社商品の間にズレが生じている。
このような原因を特定し、「商品企画」「仕入れ」「ブランディング」といった組織横断的な改善策に落とし込むには、単なるデータ分析ツールでは不十分です。
ロイヤルティ指標の「測定」は自社でできますが、その指標が示す「真の課題」を深く掘り下げ、「組織全体を巻き込む具体的なアクションプラン」を設計することこそが、EC経営者の次の一手となります。
リピート購入の最初の壁をはじめとするロイヤルティ指標の改善は、一見地味ですが、短期的な売上増ではなく長期的な利益の安定化に直結します。
弊社では、お客様の「お客様が生涯もたらす価値」に関するデータを徹底的に分析し、指標低下の根本原因(商品、市場、運営体制)を特定。その解決に最適な「組織横断的な改善計画の設計」と「実行サポート」をご提供しています。
ECの利益構造を本質的に改善し、盤石な事業基盤を築きたいとお考えでしたら、ぜひ一度、弊社の専門家にご相談ください。